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まつりぬしの原点(アーストラスト)

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まつりぬしの原点(アーストラスト)

緑山 守
アーストラストをテーマに語る / 2006

20.時間がありますか

人は、年齢が若ければ若いほど、自分の死について考える機会は少ないはずです。それは、はるかのちにやってくることで、今日や明日に考えたり悩んだりする必要のないことだと感じるからです。しかし、年齢を重ね、大病を患ったり、友人知人や家族の死に触れる機会が多くなると、自分の命も有限であり、死はある日突然に訪れる可能性さえあるものだということが実感として湧いてきます。私の知人がアメリカの日本食レストランで働いています。このレストランの店長はまだ30代ですが、聞くところによると彼は日本で大手商社に勤め、比較的良い収入を得ていたそうです。しかし、1995年の阪神大震災で同僚を亡くし、自分も危うく難をのがれ、まだ若かった彼はショックを受けました。人は死ぬのだ。自分にもいつ死が訪れるかわからない。なら、自分がしたいことにすぐ取りかからなければ、時間が足りなくなるかもしれない。そうなれば死に際に後悔することになる。そう痛感した彼は、安定した会社勤めを辞め、かねてから頭の片隅にあったレストランをもちたいという夢にむかって動き出したのです。まったくの未経験にも関わらず、いや、未経験だからこそ彼の覚悟は並大抵のものではなかったのでしょう。レストラン経営の勉強をするために訪れたアメリカで日本食レストランを始めてしまったのです。自分が生きている期間が限られているということを強く自覚すれば、そのあいだに何を成すべきなのかということに意識が向かうのが自然です。しかもどれくらい期間が残されているか教えてもらえない。本当なら人間はもっと焦ってもいいくらいですよね。しかし、漫然と日々を過ごしてしまう。あまりこういうことは考えたくないのですが、ある日、あなたが胸のあたりに痛みを感じたとします。なんだろうといぶかしんでいましたが、数日たっても治らないので病院へでかけます。そこであなたは、聞いたこともない病名を言い渡され余命1年あるかどうかということがわかります。ショックと混乱の中、あなたが問われるのは、「残りの人生をいかに生きますか」ということです。あなたは、その1年をどう生きますか?あと1年の命ならもっと早く始めておけばよかった、これに挑戦したかった、と頭をよぎったことは何ですか。今まで、生活の安定や、世間体みたいなものを優先して着手してこなかったことですか。それとも、定年後にゆっくりしてから始めようかと思っていたことですか。私にはそれが何か想像もつきません。しかし、あなたはそれをすぐにでもはじめるべきではないですか。だって、実際には余命1年でないとしても、時間がないことにかわりはないのですから。