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まつりぬしの原点(アーストラスト)

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まつりぬしの原点(アーストラスト)

緑山 守
アーストラストをテーマに語る / 2006

3.お墓の「記念碑」化

既成宗教離れが加速して、かつては死者を成仏させたり天国に送り出したりする役割だったはずのお葬式がお別れ会となり、死者や遺族の「納得」が唯一の拠り所となっていくこの時代、当然同じ現象がお墓のあり方にも表れます。日本でもっとも一般的なお墓のかたちと言えば、たて型の直方体でしょう。このかたちは江戸時代に一般化したものと言われています。それ以前は仏教の宇宙観を表す五大要素の空・風・火・水・地を具象化した、宝珠・半円・三角・円・方形を積み上げた五輪塔のかたちが多かったようです。しかし形が複雑なため、一番下の方形のみで墓石とすることが定番化したようです。しかし、現代は違います。デザイン墓石なる言葉まであり、オリジナリティあふれる墓石が人気をよんでいます。ギターが好きだった兄の希望によるギター型墓石。鉄道ファンだった父のための機関車型墓石。墓参りにきた家族が座って談笑できるようにしたソファとテーブル型の墓石など様々です。そこにはかつてのような、仏教哲学にもとづいた極楽浄土への成仏願望などは影を薄めています。「そのほうが私がうれしいから」「きっと故人が喜ぶから」という「納得」があるのみです。お墓は死者の魂を供養するために仏教的ルールにもとづいて建てられ管理される存在から、故人を懐かしむ「記念碑」となったのです。その風潮は、現代の死生観から考えて当然起こり得ることだし、因習だけにとらわれた墓石のありかたを脱した意味では価値のあることだと思います。故人もお墓のデザインに「納得」するかもしれません。しかし、もし故人にアーストラストという概念を知る機会があれば、自分のためだけの墓を作ることに比べて、より「納得」度の高い死に方として選択できたかもしれません。というのも、自分の思い通りの墓石をつくったとしても、それが墓地であるという事実に変わりはないからです。もし、お墓が「家」中心の存在から、「個人」中心の存在へと移行していくとすると、「ひとりにひとつの墓」を必要とするようなことになり、これまでより多くの土地が必要となるかもしれません。 宗教的束縛から逃れて、自由にお墓をつくる発想にいたった現代の人々なら、もう一歩すすんで墓地を拡大しない方法も模索できると思いますがどうでしょう。