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まつりぬしの原点(アーストラスト)

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まつりぬしの原点(アーストラスト)

緑山 守
アーストラストをテーマに語る / 2006

8.死後の世界

自然葬のようなかたちの死に方を受け入れられる人はいいのですが、墓に入らずお経もあげてもらえないなんて、それで亡霊にならないのだろうかと不安になる人もいるでしょう。そこでひとつ、ある思考実験をしてみましょう。死後の世界とは、あなたが生前信じたような世界であると。たとえば、あなたは日本に生まれ育ったとします。この国は東アジアのはずれにあり、大多数の大乗仏教と一部の密教、それに禅などがミックスされた仏教国でした。この国固有の神道というものがありましたが、神道では死者の霊を穢れとして排してきたので、霊を供養するという思想において仏教文化が1500年ほどその役割を担ってきました。そんな日本で育ったあなたは、お盆には墓参りをし、葬式ではお経をあげる様子を子供のころから見てきたし、当たり前のこととして体験してきました。このような文化のなかにいると、もし夜道で幽霊に出会ったとすると、あなたは思わずお題目をとなえますし、迷わず成仏してくださいと手を合わせるでしょう。さらに、ある日あなたは交通事故で命を落としてしまったとします。自分の死を受け入れがたく、思いを残してしまいました。あなたに線香をたむける人々、僧侶の読教を聞いて、あなたはようやく死を自覚します。しぶしぶ納骨された墓へ行き、ここが居場所かとあきらめます。それとも、もしかして三途の川を発見してそれを渡ろうとするかもしれません。お花畑の上を飛んでいるかもしれません。しかし、いずれにせよその世界はまさにすべて生前のあなたがイメージし、聞き及んでいた死後の世界のようです。「ああ!死後の世界とはやはりみんなが言っていたとおりの場所だった。」あなたは深く納得します。あなたの信ずる世界観によると、この死後の世界で救われるには、高僧の解脱供養、成仏供養、もしくは信頼すべき霊能者によって極楽浄土へ行かせてもらうしか方法はありません。ところで、アメリカ人、エジプト人、ユダヤ人も死ぬと仏教のお経をあげてもらえないと成仏できないのでしょうか。ケニア人、スウェーデン人、中国人はどうでしょう。釈尊が生まれ仏教発祥の地でありながら、仏教は衰退しヒンドゥー教徒が多くを占めるインドではどうなんでしょう。世界の人々は死んでも成仏できないかわいそうな人々なのでしょうか。生前は、他の国の宗教や文化を尊重するべきだという正論をなんとなく言っていたあなたですが、死後の世界ではその考え方は変わるのでしょうか。あなたと違う信仰を持つ人々はすべて中有(現世と浄土の間)にただよう不幸な魂となるのでしょうか。