5月28日号のサンデー毎日に「ハカの壁」というタイトルの記事があり、愛知県某所でうずたかく野積みされた大量の墓石の写真が掲載されていました。墓石には「○○家の墓」「「○○家先祖代々」などと文字が刻まれたままです。記事によると、たとえば東京都立のほとんどの墓地では、維持管理料の払われない墓は、10年を認定の目安として無縁墓として改葬し、墓石は「御魂抜き」「御性根抜き」などという儀式をしてから、廃棄物として処理され、一部は道路工事用のじゃりなどにされるとのことです。そして再利用されない中古墓石は山積みにされることもあるわけです。人間の墓場だけでも確保するのは大変なのに、墓石の墓場まであるなんてなんとも迷惑な話です。ある墓石・石材店情報のウェブサイトによりますと、墓石購入費用の全国平均は約174万円だそうです。それだけのお金を出しながらしばらくすると結局廃棄物となってしまうのはまことにもったいないようにも思えます。そのお金があれば遺族にとって助かることもあるでしょうに。ちなみにお墓の維持管理料は年1万円くらい、50年で50万円です。永代供養料として何十万円もまとめて最初に払う方法もあるようです。つまり無縁仏として改葬されないようにするためには、墓石代以上の出費を強いられるわけですね。もし無縁墓とされた場合、墓から取り出された遺骨は無縁仏として一箇所に集められることになります。せっかく購入した死後のマイホームから移されて、見知らぬ多くの死者の皆さんと同居です。ところで、死者の霊は墓石に憑くとも言われますが、お坊さんが、その「御魂抜き」とかという儀式をすると、本当に霊たちはその墓石を離れているのでしょうか。「わかりました。誰も墓参りに来てくれないし、集合住宅のほうが寂しさがまぎれていいですね。喜んで移らせていただきましょう。」と、素直に引越ししてくれるのでしょうか。霊とはそんなにものわかりのいい存在なのでしょうか。野積みされたたくさんの墓石には実はたくさんの霊たちが憑いたままということはないのでしょうか。死後に、私やあなたの霊も墓石と一緒に野積みされるということにはならないのでしょうか。ちょっと不安ですね。無縁仏になるなんてひとごとのように思えるかもしれませんが、少子高齢化が加速する日本では、今後このような現象が拡大するのではないでしょうか。あなたが墓を買ってそこに入ったとして、あなたの子供や兄弟がどこまで維持管理料などを払い、その墓を維持してくれるでしょうか。あなたの子供がしてくれても孫はどうでしょうか。あなたに子供がいなかったらどうなるのでしょうか。もしそれが出来なくなったとき、あなたは無縁仏となるわけです。ちょっと想像してみると、この現代社会の中で、あなたが無縁仏になる確率は、意外と高いのです。
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