まつりぬしの活動報告

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Vol21

広島で、まつりぬしによる海洋散骨研修会を開催しました
【後編】

【後半】は、現場でのまつりぬしの実技講習になります。
研修会が終了しての結果を先にお伝えすると、「いつ海洋散骨の本番がきても、今日の流れを思い出したら、まつりぬしを務めることができます」という、自信に満ちた感想が寄せられています。
——
さて、【前半】の続きです。
厳島神社の参拝を終えて、宮島のマリーナに帰ってきました。
いよいよ、実際に海洋散骨の手順に従って、参加者による、まつりぬし実技体験を始めます。

まずは、式次第に沿って乗船前の説明と進行を、司会者の守本敬子さんが行います。散骨式の開始の言葉と、それを受けて、参加者八人のまつりぬしの代表として、若崎晃子さんが乗船前に口上を奏上しました。

厳島神社ご祭神の宗像三女神様へ
【 まつりぬし口上 】

かけまくも 鎮(しず)まりましたる 厳島(いつくしま)の神々よ

平(たい)らけく 安(やす)らけく 大(おお)いなる 海原(うなばら)に

人たる身の いとも 小さきを 尊(とうと)み うやまいて

潮(うしほ)の 満ち引きに 迎えられ

送られたる 生命(いのち)の もといの
幸(さい)わいに

つつしみて 感謝申し上げ奉(たてまつ)ります

今日の良き日に 生命の悦びを 全(まっと)うしたまいたる
(故人のお名前)様の散骨の儀を

厳島(いつくしま)の神々の 見守り賜(たまわり)たる中
執り行わせ賜(たま)いて

生命(いのち)のめぐりの 麗(うるわ)しき
潮(うしほ)の波に 乗せ
大海原(おおうなばら)をかけめぐりさせたもうや

いとしき ひとつの証(あかし)と いだきて 
むかえいれたまいたることを
きこしめして と
かしこみ かしこみ 申(もう)す

続いて、散骨に向かうキセキセカンド号の船霊様の祓い清めが行われました。

船霊様の祓い清めの
【 祝詞 】

船霊(ふなだま))の大神(おおかみ)の御前(みまえ)に おろがみまつりて

かしこみかしこみ 申(もう)す

御神徳(ごしんとく)の大いなる みちゆきに 
この大海原(おおうなばら)をおさめたまいて

行く先々(さきざき)の平(たい)らけくを みまもりたまい
幸(さい)わいたまい

この尊(とうと)き儀の宣(の)りを おさめたまいたるを
こいねがいて かしこみ 申(もう)す

そして、まつりぬしが一足先に乗船して、船上に供えられていたお酒を、船の周りを一周しながら、海中に撒いていきます。この清めの儀式が終われば、散骨の参加者が乗船し、指定の海域に到着すると、まつりぬしの祝詞が奏上されます。

まつりぬしによる進行の流れ
【 祝詞 】

このち に かえりたる
このもの の
やすらかな ねむり を
このち にて

みとどけ たまわん

ウミより いでて
ウミへと かえる
ひとのみすがたの
もとたる ところ へ
いま ふたたび
そのみ を かえします

【 言葉 】 「皆さま、どうぞ、ご散骨ください」

ねがわくは このものの
いきた せいを
たしかなものとして

このち に きざみ
ゆくるさきの めぐりたる
その みなもと へ
ふたたび たどりつかん ことを
このもの に かわりて
祈ります

【 言葉 】「散骨の終わられた方より どうぞ御献花 お別れのご挨拶をお願い致します。」

【 終わりのご挨拶 】「皆さま 以上をもちまして、(故人のお名前)様の散骨式を 滞りなく終えさせていただきます。ありがとうございました。」

まつりぬしの挨拶から始まり、【 まつりぬし口上 】【 祝詞 】【 言葉 】【 終わりのご挨拶 】までを、参加しているまつりぬしが一人一人順番に、定位置に立って通しで行いました。とくに祝詞は、まつりぬしの意思がきちんと、亡くなった方と天を、光でつなげられるようにと心がけて、祈りを通します。

天と地を繋ぐことの大切さ。
研修会に参加したまつりぬしの方々は、大きな気付きをいただいて散会しました。

〈まつりぬし〉
【まつりぬしの活動記録】