まつりぬしの活動報告

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Vol.1

20日後に見つかった孤独死の部屋
<まつりぬし>にしか出来なかった遺品整理 その1

九月二十日、三年ぶりの東京セミナーに参加するため、前日入りをした夕方の会食中に、一本の電話が入りました。
電話の主は、知人で(喫茶店の店主・女性):『前島さん、私の友人(故人七十四歳)が二週間ほど連絡取れなったので、共通する友人に部屋を訪ねてもらったところ、ベットの下に、全裸で、うつ伏せになって亡くなっていました。ご遺族を紹介するので遺品整理をお願いしたいのですが?』という内容でした。
岐阜に帰った翌日、その詳細を確認するため知人の店を訪ねました。
憔悴した知人は、私を見るなりそれまでの経緯を話してくれました。
故人とは、十五年以上の付き合いになり介護学校で知り合ったそうです。
飲食店を経営していた知人のお店の、常連でもありました。
故人は、五年ほど前から心臓の疾患で通院をしていたそうです。
そんな身の上話が始まった時、急に鳥肌が立つほどの身震いと悪寒を感じ、私の身に何かが飛び込んできたことを悟りました。
知人の顔も虚ろで、いつものような覇気がありません。私が『身体、大丈夫ですか?』
と尋ねたら、故人の訃報を知ってから体調が悪くなり、病院にかかったところ、帯状疱疹を患ったとのことでした。
故人が、知人に憑いていることを知った私は、『体調も悪そうなので一旦、日を改めましょうか?』と、尋ねたら、『明日から一週間、店を臨時休業にします』と、云い、辛い身体を押して、以下を説明してくれました。
〇 七月の下旬、店に来た時の風体を見て、親族の連絡先をたまたま聞いていた。
〇 その後、二週間程顔を見せないので胸騒ぎがして、共通の友人に連絡を取り安否確認に行ってもらった。
〇 共通の友人が、大家さんに訳を説明して部屋のカギを開けてもらい死亡を確認した。
〇 訃報を知って、即、ご遺族と警察に連絡をしました。
〇 その後、警察が来て司法解剖のため、遺体を警察署に運んでいった。
〇 翌日、ご遺族が警察署に赴き部屋の惨状など説明を受け、遺品整理が急務であると知り、地元で  はないことから、知人へ連絡をしてきたとの事でした。
以上の経緯を聞いた後、知人が徐に『遺品整理の費用はどの位かかるのですか?』と聞かれたので、『お部屋の現状と、住まいの立地条件を確認しないと算定はできません』とお答えしました。

知人の店は、5席程の住居兼の小さな店舗で、営業日ともなれば、連日常連さんで満席です。
何故か、その日のその時間だけは、誰も訪ねてくることはありませんでした。

〈まつりぬし〉
【まつりぬしの活動記録】